昨日の取材に伴い撮影したフィルムを現像に出す。顔写真だが、いつも基本的にはポジフィルムで撮る。その理由は、プリントしなくてもそのまま印刷所に入稿できること、発色がよいこと、などである。ただ、フィルム代自体が高いとか、プリントなしの現像費だけで結構いい値段になるとか、撮影するときネガフィルムより光量を要する、といったデメリットもある。さらに最近、入稿はほとんどが「デジタルのデータ」になっており、以前は写真のみ添付して印刷所側で色分解するといった過程だったのが、小さい写真であればデザイナー側でスキャンしたデータをそのまま実データとして使う事も多くなっており、ある意味「ムダ」な「昔ながらのやり方」といえなくもない。
写真のデジタル化の波は凄まじく、いまや街のDPEショップのほとんどがデジカメ完全対応で、フィルムの同時プリントも減少の一途を辿っているようだ。デジカメの場合は、DPEショップではなく自宅でプリントすることも多いので、実際には商売あがったりだろう。
何年も懇意にしていた写真屋さんがあるのだけど、数年前に流行った「短時間(30分〜1時間)で同時プリント」を効率化するため、ほとんどオート化したバカデカイ機械を導入し、それが償却しきる前に同時プリントが減少し、こりゃヤバイ、これからはデジタルだ! とばかりに今度はデジタル対応のプリンタやビデオをDVDにダビングする機械などをまたまた莫大な費用をかけて入れたところ、結局のところ資金繰りが滞り、経営権を大チェーンに互譲してしまった。
いつも現像をお願いするとき、他愛ない世間話をしたり、無理も聞いて貰えたりしていたのが、今は入れ替わり立ち替わりの店員さんのため、そういった関係になりようもなく、ちょっと切ない。しかし、こんな現象は、あらゆる場所で起こっている