nitt2003-11-20

  1. THE BADGE「ふたりのフォトグラフ/ウインクはお手のもの」(タワレコ)(HMV
  2. DVD「パンク・イン・ロンドン」(ASIN:B0000CBC3R

ついに発売された、ザ・バッヂ最初期のシングル2枚のリイシュー+α。デビューシングル「ふたりのフォトグラフ」はカップリング曲が海外のパワー・ポップコンピに取り上げられたため、いまやヤフーオークションなどでは数万円を下らなくなっていた。オリジナルを聴きたくても聴けなかった人達にとっては、待望のCD化だろう。
ただ、オリジナルはテイチクからリリースされていたにも関わらず、今回はインディレーベルからライセンス料を支払っての発売である。再発ブームだのなんだといっても、メジャーの眼はどこを向いているのか(もちろん、例外もありますが)。しかし、インディーから発売されることによって、きめ細やかな流通は期待できないのかも知れないが、そのかわり出てすぐに廃盤になってしまうことなどは、ありえなくなった。何年も何年も大事に、売られ続けるはずだ。リスクを負って発売するのは、愛情があるからに他ならないから。
かといって、「じゃ、今度余裕が出来たときに聴いてみようかな」と思われても困るのだけど……いや、一聴していただければ、「もっと早く出会いたかった」と後悔必至のサウンドである。
デビュー当時(82年)、THE JAMのフロントアクトをつとめたことなどから、「モッズバンドか?」と思って手にした人達の評は、おおむね「こんなのモッズじゃない」というものであった。当然だろう、単なる「モノマネ」じゃなく、オリジナルなサウンドなんだから。博多から出てきたにも関わらず、「めんたいビート」として取り上げられることもなかった。そりゃそうだ、ブリティッシュビートのみならず、ラズベリーズやグラスルーツなどもバックボーンに持っていたのだから。
それにしても美しい骨格を持った曲、絶妙な肉付きのアレンジである。練りに練られたポップなメロディと完璧なハーモニーにもメロメロだけど、鋭いエッヂも併せ持った、疾走感溢れるホンモノのロックンロールだ!
続いて「パンク・イン・ロンドン」。映像特典として追加収録された、THE CLASHのライブがすこぶるかっこいい。最近のプロモーションビデオ(といってもロクに見てないが)でも、一見「かっこいい」と思われるものは、少なくないだろう。しかし、多くはカット割りやカメラワークやなんやらの「録り方」でかっこよさげにみせているだけで、ホントにバンドそのものがかっこいいのかどうかは大いに疑問である。このクラッシュのライブは、8mmカメラ一台、ほとんど据え置き(フィックス)。しかし、ビンビン伝わってくるものがある。
以上、お茶の水ディスクユニオンにて購入。