TARGET EARTH 10周年記念企画

最高にゴキゲンな音源ばかりリリースするレーベル、TARGET EARTHの10周年記念、ドイツからTRASHMONKEYSを迎えての企画、最終日。Zher the ZOO YOYOGIにて。
一番手はTRIO。TE 10周年と本田美奈子に捧げる演奏。8月に同じ会場でみたときPAがイマイチな気がしたのだが(特にドラムが生音しか聴こえないように感じられる)、今回も同様。しかしながら演奏自体は本当に素晴らしく、別のライブハウスで見たらさぞ背筋がビリビリしただろうと思うと残念。
続いてROCKBOTTOM。よりよく聴こえるよう最前列に移動する。もう、鬼神の如き狂熱のパフォーマンスで最高。彼らのような音楽のみ「ハードロック」と称したい。足元のセットリストが目に入ったのだが、ずっと「プラシーボ!」と唄われていると思った曲、正しくは「LAST EVIL」だった……。
そして、FIRESTARTER。今年3月にギターのFINK氏が脱退し、4月にスナッズのミヤギ氏をサポートに行われる予定だったギターウルフとの2マンは、Billy氏の急逝に伴いTEENGERATEでの出演となったので、実に1年4カ月振り、3ピースによる初めてのライブ*1。場内、明らかに久々のライブに対する期待で満ち満ちている。まず当たり前だが至って普通に登場、佇まいはこれまでと何ら変わらない。そして「1曲目だけ古い曲から…」とスタートしたので(この日は全曲新曲と公式掲示板に書かれていた)、一瞬、まずお馴染みの曲で様子を伺うのかと思いきや、すぐにそうではないことに気づく。「古い曲」とはTWEEZERSの「GET THAT GIRL」だったのだが、新たにつけられた「日本語詞」で唄われていたのだ。さらに、その後に続く曲も全て日本語、そこで「全曲新曲」の意味をようやく知る。「ロックンロール・ランゲージ」から日本語への転換は、安直な迎合ではなくまたもや荒野に向かっているとしか思えず、胸が熱くなる。全くなんという人達だろう。北京のパンクバンド、シンクーズ(新袴子、英名は「NEW PANTS」)の「我們的時代」の日本語カバー、「オレたちの時代」にも震えた。
最後は、TRASHMONKEYS。キーボードがフィーチャーされたモッド・ガレージバンド、60年代的というよりアシッド・ジャズ系とでもいうのか(実際にACID JAZZからもリリースしている)、オーソドックスなガレージナンバーだけではなく、モダンなグルーヴ感の曲も多い。演奏は泥臭くなくキレイめと聞いていたが、最終日ということもあってかガッツ溢れるパフォーマンスで悪くなかった。しかし、アンコールもなく完全燃焼で終了後、去来するこの日の印象は、FIRESTARTERの新局面のインパクトだ。どうしようもなくそのことに、頭も体もとらわれる。
TRIO ROCKBOTTOM
FIRESTARTER TRASHMONKEYS

*1:97年の結成当時は3人だったそうです。