著作権法改定による輸入CD規制問題

CDが店頭に出回り始めた頃(87年くらい)、アメリカなどにはプレス工場があまりなく、タワレコなどで「輸入盤」のコステロとかの紙製のトールケース(懐かしい)に入ったCDを買って、中身の盤を見ると、海外のレコード会社のものにも関わらず、「Made in Japan」と書かれていた(スリーブは「Printed in England」、など)。世界中のCDが、ほとんど日本でプレスされていたのだ。

さて、話題の輸入盤規制の話、驚くべき「読み」があるBBSに書かれていた(多分、高橋健太郎氏からのメールの転載でしょう)。以下は、その「読み」を私なりに解釈して再記したものである。

  • 「輸入盤規制」は、「日本のアーチスト」のアジア盤の還流防止が主眼ではない(それは微々たるものだ)。
  • 近い将来に「アジアのマーケットに向けて」、「数十億枚単位でアジア(中国)でプレスされる」、「欧米のアーチスト」のCDの「日本への輸入を規制する」のを未然に防ぐことが目的ではないか。

そして、

  • 輸入盤規制の後、「日本国内でのCDプレス」は行われなくなり、「コストの安い中国などで」、日本のレコード会社がライセンス生産したCDが大量に「輸入」され、「日本盤」として「高い値段で」売られる、

と。

で、手元にある、最近発売された「国内盤」をチェックして見る。そのCDが「どこで生産されたか」は、日本レコード協会(!)により「オーディオCDの表示事項及び表示方法」(RIS204)という規格が定められていて、「当該オーディオCDがどこの国で製造されたか、その製造国名を明示しなければならない」ことになっている。例えば日本製(国内プレス)の場合、「MADE IN JAPAN」「MANUFACTURED BY ○○○ CO., LTD. JAPAN」と表示せよ、と(レコ協発行物のページで、この文書「RIS 204」はPDFファイルをダウンロードできる。表示については5ページに掲載)。インディーズのCDなどは、既にコストを下げるため海外プレスされているものが多く、その際は当然、盤面に「Made in Japan」と表記「してはいけない」。
最近買った国内盤はあまりないのだが、↓のポール・サイモンのを見ると、「Manufactured by Sony Music Direct (Japan) Inc.」とバックインレイに書かれているが、盤面には「Sony Music Direct (Japan) Inc.」だけで、プレスはどこでされてるのか明確ではない。
(Japan)という表記も、なんか曖昧だ。うーむ……。