寝ぼけ眼のアルファルファ

1984年に自費出版された、「音楽評論家/監修編集者/DJ(現在の肩書き)」山名昇氏の「第一音楽散文集」。70年代後半から80年代初めにかけて、氏が書かれたライナーノートや「プレイヤー」「ミュージック・マガジン」などの発表原稿などをまとめたもの。最近になってデッドストックが放出されたのを、ネットで知り購入。
山名氏といえば、個人的にはルースターズの12inch「ニュールンベルグでささやいて」ジャケット裏のライナーノートで、「このあとは80年代最大のプロテストソングが控えている」とかなんとか書かれ、結局は未発表に終わったその曲(多分「ゴー・ファック」と思われる)とともに深く胸に刻み込まれているのだが、他にも鮎川誠やザ・モッズに関し、読んだ記憶のある原稿も多く収められていた。
基本的にはブルース、ストーンズキンクスなどに関する内容が中心だが、きっちりと調べたデータに基づき、「点と点を繋いで線にする」ような記述が多く、読んでいて面白くタメになる。
そういえば山名氏は鉛筆でフレイミン・グルーヴィーズのファミリーツリーが書けるらしい。