トッポいネズミだねー、縞々の服着て。

1967年、日・伊合作、監督は市川崑

夜、渋谷に出る用事があって、「その前に映画でも」ということになり、ユーロスペースリバイバル上映されていた標題の映画を観る。日本語版と英語版があり、前者はフィルムが紛失しているとかでDV上映、観たのは後者、35mmフィルム、英語版・字幕。

「一番好きな映画は何か?」と問われれば、なんちゅうかこう、格好をつけたくなるものだ。割と最近だと「ブギーナイツ」(ASIN:B00005FXMN)とかいいたくなる(本当に好きなんですが)。しかし、実際に「映画館」で何度も何度も観た映画は、私の場合「犬神家の一族」(ASIN:B00005HKPR)だ。
まだ小学校か中学入りたての頃だと思うが、自分で前売り券を買って観たし、非常にヒットして確か正月をまたいで上映されていたので、大人が「観にいく」といった時に「連れてけ」と懇願して観たり、商店街のクーポンを集めて観にいったりもした。つまり大好きなのだ。バカですか。ちなみに生まれて初めて買ったLPは「釣りキチ三平」。
もし本日記を継続してお読みくださってる方は、「犬神家の一族」と「釣りキチ三平」が好きなヤツが書いてるんだとご認識いただければ幸いです。

と、いうわけで、「幻の市川崑監督作品」というと気になってしまう。しかし、膨大なフィルモグラフィーの中で実際に劇場で観たのは金田一シリーズ全作と、リバイバル公開された「黒い十人の女」(ASIN:B00005HRE7)だけ。あと、名作の誉れ高い「東京オリンピック」(ASIN:B0001Z2VX8)も観ているのだが、フランキー堺の「君も出世ができる」が観たくて浅草のオールナイトに行ったら一緒に上映されていたという消極的鑑賞(さらに途中何度か寝てしまう)のため除外。つまり、「気になる」といいつつロクに観てないのですね。全くダメ。

で、そんなダメ人間の感想は、正直ツラかった……。トッポ・ジージョ操演上の制限があって背景はほとんど黒一色、登場人物もほとんどシルエット、その画面構成は素晴らしいのだが、ストーリーが弱い。
けどトッポ・ジージョジョナサン・リッチマンみたいでかっこいいな(当然、トッポ・ジージョの方が先ですが)。
たまには安物でもいいから、チーズにありつけることを、心から願う次第です。

オマケ。最近はあまり使われないが、「とっぽい」という言い回しがある(キザで不良じみている、派手な、などを意味する俗語)。この「とっぽ」は、「トッポ・ジージョ」が元になっているという説があるらしい(他には[不良集団の]トップのようだ、あるいは韓国語の「トッポイダ(派手で目立つ)」から、など)。