You Can't Judge A Book By Looking At The Cover

  • ライブ「THE SHAKES with TREEBERRYS, SM'Z」(下北沢 CLUB 251

ザ・シェイクス、昨年10月に行われた11年振りの復活から、9カ月経って2回目のライブ。
トップは音楽番組構成作家チョコベビーズ佐川秀文率いるSM'Z。なんといいましょうか、コントーションズみたいなフリーキーさも持ったブルースバンドですか?


次、Treeberrys。見るのは結構久しぶり。ボーカル・イナ氏の別バンド、Rockbottomは先日のReducers来日公演でも見たが(それも久々だったけど)。
でもツリーベリーズ、大好きなのであります。大好きといいつつライブ観てないんじゃダメか。しかしセルフタイトルの直近3rdアルバム「Treeberrys」(ASIN:B000075B0P)は100回以上聴いた/聴いてるな。大傑作。でもリリースは一昨年の暮れか。次を早くプリーズ。さておきツリベリ、日本のホリーズなどとも喧伝されているが、凡百の60'sリバイバリストと100万光年の隔たりがあるのは、常軌を逸したガッツでしょうか、ノスタルジアがゼロの。曲よすぎ、イナ氏唄うますぎ、テンション高すぎ。
「ROCK 'N' ROLL WIZARD」でロケットスタート、中盤の「LET ME BE ALONE」でパワフルに泣かされ、「(Ah-Ah)JUST CAN'T WAIT」からだったか、そこからラスト「HONEY ARE YOU READY」まで、逆ジャンプ台みたいにたたみかけるスピード感に高揚させられました。スゲー。一言コメントすれば、「エスエム・ジー」じゃなく「エスエムズ」だが。「エスエム爺さん」って……団鬼六か?


そして、ザ・シェイクス。Treeberrysのヤングパワー(?)で気持ちがかなり昂ぶったあと、どう感じるのか、ひょっとしてヤバくない?(年齢的に……失礼な!)と思わなくもなかった。開始早々、しょーもない危惧と知る。別にキャリアに基づくアンサンブルの妙なんかじゃなく(そういうのも当然あるでしょうけど)、いきなりガツンと来たんですよ!
勝手な印象で、昨年の復活ライブは、やや石橋を叩いて渡るような慎重さも伺えたような気がしたのでですが、今夜はもう「久々のライブだし、まあ徐々に」みたいな感じは全くなく(前回そうだったというわけではないです、念のため)、もうはじめっから完全にヤル気。「貫禄を見せつける」とかでもなく、なんというか……フレッシュで、かつパワフルなんですね。「CONFESSION 〜告白〜」から「JUKE BOX MAN」への流れは、会場も凄まじく沸き立っておりました。つか、シェイクスもレコード(CD)化されてないいい曲いっぱいありますね。ライブアルバムとか出して欲しいです。


さて、この日のMCで黒水兄氏がいってたが、シェイクスは結成当初、スタジオで「ROUTE 66」「AROUND AND AROUND」「TALKIN' 'BOUT YOU」「WALKIN' THE DOG」だったか、この4曲ばかり延々と繰り返し練習したそうだ。「キホンが大事だ」と。何の基本か。端的にいえば、初期ストーンズをプロトタイプにしたビートバンド(c.山名昇)でしょう。といえばルースターズでしょう(またかよ)。で、シェイクスはロックンロール・ジプシーズが失ったものを未だ持ってるという気がしましたね。それは何か。見ればわかるさ。迷わず見ろよ。これからもずっと、続けてくれそうな気がします。つか「ギンギンにぶっとばして行く」との事なので、タノシミです。そんで、できれば今夜のTreeberrysのように、イキのいいロックバンドと一緒にガンガン演って欲しいです。いや、ジギジギとかが悪いってワケじゃないんです(すんません)、でも、ツリベリとのライブはホント楽しかったんですよ!
さて。「土曜の夜なんて色々な過ごし方があるのに、このライブを選んでくれてありがとう」という黒水兄氏。いい人がいい音楽を演るとは限らない。しかし、いい音楽を演る人にはいい人が多い気がするな。
性根が荒みきっていて性悪説を支持する僕のような人間でも、胸のずっと奥には、清らかな場所があるのかも知れない、あるといいなと思った夜ですよ。